最近の不動産マーケット (2009.10)、不動産投資の優良物件です。

最近の不動産マーケット (2009.10)

2009年11月2日 by Quality-F

先日、外資系不動産コンサルティング会社の友人と久々に飲みに行った。彼は、世界でも5本の指に入る外資系の不動産会社に勤務しており、良く情報交換を兼ねて飲みに行っている。そんな彼の会社でさえ、ここ数ヶ月法人仲介は決めていないとの事である。

世界同時不況の真っ只中、大手の外資系不動産会社もその経営姿勢により負け組と勝ち組が明確になり、彼は勝ち組の中にいた。その会社は不動産業界のリストラの嵐の中で、マーケットに流出した人材(優良物件)を次々と獲得していった。しかしながら、その人材の活用の場と、収益とのバランスにやや雲行きが怪しくなったとの事である。

外資系の不動産会社の収益の柱は海外に張られたネットワークとブランド力で大きなディールを獲得していくことである。一部のアジア政府系のファンド等が日本に入ってきているものの、需要を底上げする力は無く、限定的な状況。圧倒的なソーシング力を持つバリバリの仲介マンでさえ、散々の状況で、そもそも従来の仲介の法人ネットワークは機能していないとの事である。そんな中、需要が厚い個人層向けの物件も、外資系不動産会社はプライドがある事から手が出せない八方塞がりの状態。証券化バブルの時に華やかなフィールドで活躍しているプレイヤーは、数億円単位の個人向けなど見向きもしない。

一方、ハイエンドタワーマンションのペントハウスを次々と持ち前の資金力で落としているプレイヤーがある。それは世界経済の中で存在感を増している中国人である。中国人は一切日本人を中に入れず、独自の中国人ルートを用いて物件を回しており、日本買いに拍車をかけている。そんな憂うべき状況もみうけられる。

J-REIT市場の不安がやや払拭されてきており、レンダーの融資姿勢も改善しつつあるとの言葉が聴かれるが、今後、日本の不動産マーケットはどのような方向に進んでいくのであろうか?

唯一、需要が旺盛な個人富裕層向けの投資用不動産取引がさらに活発になり、腰が重いレンダーを力でねじ伏せ、不動産マーケットを底辺から押し上げて、「中国系」や「指をくわえて身動きの取れない法人」に警笛を鳴らして欲しいと切に願う。いずれにせよ、このような散々の状況を鑑みても、個人富裕層の方には今が不動産の最高の買い場であることは明確である。