データーセンターについて
2009年6月4日 by Quality-F
一言でデータセンターといっても非常に難しい。通常のオフィスビルの1フロアを改装し、データセンターとして賃貸しているケースもあれば、1棟全体がデータセンターとしているケース、マルチのデータセンターとして建設したものの、需要が弱く、通常のオフィスビルとして賃貸しているなど、個別的で、千差万別である。
データセンターの見分け方とはどこか?それは、設備水準である。通常のオフィスビルとデータセンターの設備では大きく異なる。
具体的には
- 床加重:通常のオフィスでは300~500kg/㎡程度であるが、データセンターでは倍の1,000kg/㎡を備える。
- フリーアクセスフロア:オフィスビル100~150mm データセンター300~500mm
- 電気容量:オフィスビル50~100VA/㎡ データセンター500~1,000VA/㎡
- 非常用発電機の有無
- 空調設備
- 消防設備:オフィス水消化 データセンター CO2 消化
等である。
最近は、データセンターの中でもインターネットデータセンター(IDC)の需要が増加している。これらのほとんどは2000年当時自前で建設する会社が多かったが、金融バブルの際には、証券化によるリースバックという名のもとに賃貸型に切り替えた事例が多数存在する。また、経営スタイルとしてホスティング型やハウジング型、ハイブリット等様々である。
賃料水準としては通常のオフィスビル相場よりは、当然高くなる。また長期の契約が前提となってくるため、安定的という側面も有する。地震リスクの分散や投下資本の関係から 都心部からやや離れたエリアに存在する。具体的には木場や東陽町、八王子に存在するケースなどもある。一方でメンテナンスの関係から都心部に耐震性を備えたデータセンターを建築するケースも増えている。
データセンターの賃料相場としては概ね10,000~20,000円/坪程度の水準である。ただし、これは1棟貸しでの水準であり、マルチ賃貸やサーバールームについてオーナーが負担する事前設置型等では大きく異なる。
個別性が強いことからも、賃料設定にあたっても条件によって大きく異なるのが現状である。
以上のようなデータセンターであるが、社会や経済情勢の変化が激しい現在、IDC 需要が増加してはいるものの、不動産マーケットに与えるインパクトは限定的である。