不動産投資トピックス 商業施設と不動産投資(3)、不動産投資の優良物件です。

不動産投資トピックス 商業施設と不動産投資(3)

2010年7月22日 by Quality-F

しかし、現実の賃料設定については上手くいかないケースも多い。

不動産証券化バブルの頃、「ドミナント戦略」と「供給シェアUP」の旗印の下、我先にと、どんどん店舗を拡大し、いたるところでロードサイ ド店舗用地の取得合戦が勃発したのは記憶に新しい。その上、「まちづくり三法」の駆け込み需要も重なり、こんな賃料、到底持続不可能だよね?なんて、物件も頻繁に目にしたものだ。出店には色んなスキームがあるが、地主さんが建物(店舗)を建設して、それを事業用定期で賃貸するケースが多い。地主はできるだけ条件の良い(賃料の高い)テナントに賃貸したい。したがって、ロケーションに優れる物件はA電気、B電気、C電気と…賃料の値上げ競争が始まるわけである。知名度や安定性の劣る家電量販店は、良好なロケーション確保の為には、かなり無理しない限り出店できない状況であった。

そんな異様に高い、そもそも、その土地のポテンシャルを大きく超 えた賃料で設定された物件のバリューが、周辺相場に比べて、倍以上(収益還元方で価格が数倍)あるのは、当然の事となる。一昔前は中古車販売かファミレスか?みたいな状況であった土地(場所)がである。

上手く売り抜けられていれば、良いのだが。けっこう、地方では個人農家の方が 所有されていたが…大丈夫であろうか。

笑える話ではあるが、同様な商業施設用地のケースで借地権(オーナーが土地を賃貸して、運営事業者が商業施設を建設して運営)の場合はもっと面白い。過大な地代で契約さ れている事から、「底地>更地(所有権)」なんてあたりまえの状況であった。ステークホルダー向けの売買価格の理由付けに頭を悩ました事もしばしばあったものだ。上手く売り逃げた底地ファンドがあったが、いやあ実に見事だった。

事業用定期賃貸借とは言っても、最後に泣きを見るのはオーナーである…。ロケーションに劣る地方物件(商業施設は)はもうどうしようもない。

高値の賃料設定で構築された事業計画では、建物投資分の回収さえも到底できないだろう。(次回は 不動産投資トピックス…商業施設と不動産投資(4)