減価償却費
2009年8月19日 by Quality-F
先日、クライアント様から、個人的に不動産を購入したいとのお話を頂いた。その際に税金についてぼやかれた。NCF(ネットキャッシュフロー)なんて言っても、ローン返済を行った手残り、その額から住民税や所得税等、半分近く持っていかれてしまう。・・・まあ、税金とはそういうものだ。それに、不動産に限らない。しかし、再度良く考えてみよう。不動産の費用についてもう一度。 不動産の大きな費用といえば、減価償却費があげられる。支出を伴わない費用で、内部留保的意味合いを持つ費用である。期間収益との対応から、建物の償却分を耐用年数にわたって、費用として計上する。節税対策の代表例である。この費用、中古の収益物件を購入した場合にはどのように扱われるか知っているだろうか?
耐用年数は、①専門家に見積もってもらう方法と、②簡単な計算式からできる簡便法の2手法により求められる。一般的には簡便法を用いるので、この点においては、投資家の立ち入る隙はあまりない。
一方、その減価償却するベースの額についてはどうであろうか?当然、建物の購入費用が大きく影響する。一般的に不動産を所得する場合には、土地建物一体として購入した場合においても、当然に土地建物それぞれの価格の内訳を設定する。その、建物価格(投資額)に、減価償却費はダイレクトに影響を受けることになる。
したがって、内訳設定の際に、建物価格を出来るだけ高く設定すれば、費用を多く計上できることとなる。しかし、売主が消費税の課税事業者の場合には、建物価格割合を上げると、消費税で持ってかれる額が大きくなる為、建物価格を出来るだけ低く押えたいとインセンティブが働く。まあ、消費税分を買主が負担すれば良いだけの話ではあるが。ただし、売却の際には、減価償却費は所得費用に計上されることから、注意が必要となる。また、当然、耐用年数との関係もあるが・・・。この話(耐用年数)はいずれ話そう。
常に、税法とは画一的な方向に働くものであるが、大規模のリニューアル等を行った場合にも、その償却(投資額)が適切に購入者に継承されないのは、やはり、違和感を覚える。もっとも、その分価格に添付されているとの理論もあるが、いずれにせよファジーなものである。