共同住宅のプロデュース (2)、不動産投資の優良物件です。

共同住宅のプロデュース (2)

2009年9月30日 by Quality-F

しかし、地場の不動産会社との打ち合わせでは、収益性を重視した1LDKを進めてきた。「もう、1Rは駄目みたいです。需要の割に供給過剰です。そうですね、この地域にはやや広めの単身者用の物件が少ないから、先日来られたお客さんが探しておりましたし、需要はかなりありますね。家賃も結構とれますし。今なら30㎡程度の1LDKがいいですよ。都心ではこういった広めの単身者用が流行ですよ。儲かりますよ。」…かなり微妙な見解だ。確かに5年、10年、短期的に考えると、高利回りではあるだろう(儲かるだろう)。しかし、需要が限定的(駅から遠い)である事から、長期的スパンで考えると、とても最有効使用とは言えない。なぜなら、地域の人口動態及び、周辺地域の開発動向、賃貸マーケットを見れば明らかだ。対象地は本来、決して収益性の高い土地では無いのだから。仮に対象地であっても収益性が高いということは、もっと、立地が優れる(駅近等)ロケーションにおいては、当然もっと高いのである。つまり、経済学でいう利潤が生まれるということなのだ。そして、その利潤は競争の原理により次第に薄まって、やがて無くなる。「もう、1Rは駄目だね」のコメントがすべて明示している訳である。対象地より、ロケーションに優れる立地に、同様のプランが出来た時には、需要が限定的な分、与えられるインパクトが大きい。しかも、共同住宅であるため、容易に界壁(住戸間の壁)を壊して、間取りを大きくするわけにはいかない。また、大学や大規模工場等(需要施設)が近隣にあるわけでもない。このように考えると、土地の収益性に見合っていない計画は、将来に渡って持続可能ではないということが分かる。(ここを良く履き違えてしまうオーナー様が多いのが現状ではないか?ハウスメーカーの口車に乗せられて、郊外立地で1Rの計画をしてしまったり、10年一括借り上げは安心だと、過大な投資をしてしまったりと…)

そして、なにより、賃貸アパート経営とは、30年以上の長期的スパンで考える必要があるからだ。特に賃貸経営は返済が終わってから、いかに収益を落とさずに、かつ、長期に渡って持続させるかが肝なのである。(筆者はたけやはうす以外にも3棟の賃貸経営(返済終了済)をしているが、その収益性を見てしまうと、とてもじゃないですが、建替は…かなり考えてしまう。今は、如何に投資を押えて収益を持続させるかを考えているところだ。後日、現在計画中の大規模リニューアルでどこまで収益が復帰するものか、機会があれば実例をもってお話したい。)。

よって当初の計画通り、ファミリー層をターゲットに確定する事に決めた。

つづく…共同住宅のプロデュース (3)