スローライフな不動産投資 (1) – 実体験からの株式投資から不動産投資へ
2009年9月11日 by Quality-F
筆者は証券会社に勤務していたことがあり、有価証券のプロとして運用をしていた経緯がある。最近、マスコミにクローズアップされ、株式や為替FX、CDF等の宣伝をよく目にすることがある。「私は一晩で○○○万円儲けました」、「○○式ディーリング法」等々、キャッチフレーズは吐いて捨てるほどあるであろう。仮に利潤がでる戦略であれば公表してしますのは私的にどうかと思うが…万人が知ってしまうということは利潤が平準化されることを意味しているからである。それらはさて置き、以下は私の持論である。
運用とは運を用いることで、戦略的に投資スタンスを決め、戦術的にそのスタンスをマーケットにて実践することである。それらを実践するには莫大な労力を必要である。そのため、初心者が安易に相場で儲けたいなど、話を聞くと、なにやらむず痒い気持ちになってしまう。
でも、初心者にて成功している人も事実いるよね?との声が聞こえてきそうである。成功者の影には数え切れない失敗した人がいることを忘れてはいけない。また、成功者の秘訣は現時点において相場が味方しているため、単純に成功する要因は上記に挙げた「運」ということだ。初心者に戦略的な思考は存在しているとは到底思えない。相場において成功を継続することも、それを実践する精神力も、兼業では時間が足りないのではないだろうか。そこまで相場は甘くない。
著名なファンドマネージャーでも同様である。最たる例が1998年に起きたアメリカの大手ヘッジファンド会社LTCMの破綻である。LTCMとは元ソロモン・ブラザーズ副会長を中心にノーベル賞受賞者、元FBR副会長らがパートナーとなった当時では最高のチームであった。圧倒的な分析能力によって国債の理論価格を計算する「債券アービトラージ型」のヘッジファンドである。そのLTCMは1年目、2年目と共に40%を超えるリターンを叩き出すなど、順調な滑り出しであった。しかし、そうはうまくいかないのが世の常である。ロシア危機によってわずか1ヶ月間のマイナス42%の運用成績で破綻してしまった。
まさに盛者必衰の如である。
筆者の友人であるディーラーは皆、口を揃えてこう言う「2年もこの仕事は続けられない・・・」と、それ程までに神経をすり減らし、マーケットと対峙しているのである。
真剣にディーリングを行えば行うほど、深遠なる樹海に入る孤独な迷い人となるのである。
筆者自身も株式運用により資産を何倍にしたクライアントもいるし、損を出してしまったクライアントもいる。筆者の実力不足といえばそれまでだが、数年間勝ちを継続していくことは、非常に難しいと結論せざるを得ない。次回は不動産の優位点についてお話しようと思う。