投資の基礎 お金の仕組み(1)
2012年1月31日 by Quality-F
先日からの話の続きであるが、投資の根本となるお金についてお話しよう。
そもそもお金とは一体なんなのか?
お金はどのように生まれるものなのか?読者はどのように回答するのだろうか?
例えば日本ではどうであろう?
「日銀がすべての紙幣を発行してるんじゃないの?」…と言った声が聞こえてくる。
答えは「No」だ。
日銀は直接には手をくださない(間接的に関与している)。
実は民間が「信用創造」といった錬金術でお金を作り出しているのだ。
簡単な例で話そう。
銀行(金融機関)は民衆からお金を預かる。所謂、預金である。その預金の一部を中央銀行に預ける。そうすると…その中央銀行に銀行(金融機関)が預けた分が、準備金とされ、その割合に応じて、需要者に貸付ける事が出来るのだ。例えば、100万円という預金の一部を、法定準備率(預かり金から日銀に預ける率)を仮に1%とすれば…1万円を中央銀行(日銀)に預け入れれば、残り全額を必要な需要者に貸付ける事ができるのである。逆に言えば…100万円を中央銀行(日銀)に預け入れれば、1億(100倍)まで他人に貸付ける事ができる。貸付ける…なんて言うと、あたり前だ!銀行なんだからって声が聞こえそうだが…しかし、よくよく考えて欲しい。
これは確かに貸付金ではあるが、そのお金のソース(実態)はいったいどこからきたのだろう?
答えは「どこからも来ていない」のだ。
そもそも実態なんてこれっぽっちも無いのである。
つまり、信用というものを使って「新たなお金」が創出されたのだから…
これが「信用創造」である。
実際には、金融機関(銀行)内で社内管理用のPC等にデータ(貸出金)をただ、ピ・ポ・パと打ち込んだだけなのである。
このように、お金は金融機関が勝手に作っている。
しかも、勝手に創出したお金で金利をとって…
この「預ける→貸付ける→預ける」循環はデフォル(債務不履行)するまで永々に続く。
「ある人に貸す→そのお金で家を買う→家を売った人がお金を預ける」需要者がいる限りどんどん貸付ける…実需を超えてもデフォルトするまで永遠に循環する。
なぜ「デフォルト?」…ここでもう一点 読者は気付かねばならぬ。
大きな大きな落とし穴!
これは今、この世界が抱えている根本的な問題の一つである。
それは…「お金はすべて負債である」という大問題なのである!
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